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国立大学法人岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 救急災害薬学分野

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救急・集中治療領域でのファーマシューティカルケアの充実を図るため、2012年3月、岡山大学に国内初の「救急薬学分野」が誕生しました。
そして、2022年4月に、多発・激甚化する災害への医療対応を念頭に、「救急災害薬学分野」へ発展改称しました。

メッセージ −生命に責任を持つ薬の専門家たる薬剤師へ。−

「救命」は医療の原点とも言われます。
一刻を争う救急医療では、心肺停止、多発外傷や薬毒物中毒など多様で重篤な患者を受け入れますが、従来は、診療や患者ケアを救急専門医と看護師のみで担当するシステムが一般的でした。
一方で、医療の高度化や薬物治療の多様化に伴い、患者管理において薬学の専門知識が必須となる中、救急現場でのチーム医療の推進により、薬剤師も参画する施設が増加しています。

また、私たちの記憶に深く刻まれた東日本大震災では、多種多量の医薬品がせっかく被災地に届けられても、迅速適正に扱える薬剤師が大幅に不足し治療に多大な支障を来たしました。
当時、薬剤師が災害現場に派遣されず、直ちに支援に当れなかった理由として挙げられたのは次の事柄です。
1.薬剤師が緊急時に対応できる体制が確立できていなかった。
2.薬剤師の緊急時における対応能力が医療従事者(医師や看護師)に認識されていなかった。
3.医療従事者としての薬剤師の社会的重要性が国民に認知支持されるに至っていなかった。

しかし近年では、薬剤師の救急現場への配置、災害現場への派遣や被災地の支援など「救急・災害医療の充実を念頭に置いた薬剤師の養成と体制の整備」が、全国各地で進められるようになりました。

「救急災害薬学」は、薬学の専門知識を基礎に、救急・集中治療、災害医療や医療過疎における薬剤師の医療活動に関わる教育や研究を主宰する臨床系の学術分野です。
そして、当「救急災害薬学分野」は、学びの場である「学部・大学院教育」と、医・工連携による先進医療の社会実装を念頭に置いた「臨床研究」とを両輪で展開しています。

救急・集中治療や災害医療における薬物治療は、すべての薬物治療に応用が可能であると言えます。
6年制薬学教育課程では、より実践的な薬剤師の養成が希求されていますが、本学の「救急災害薬学分野」では、薬剤師が患者や医師、看護師から信頼を得るための能力を、学部教育から習得できるのです。

国民の医療健康と安心安全な暮らしに貢献する「救急災害薬学分野」のこれからにご期待ください。

救急災害薬学分野 教授 名倉 弘哲(なくら ひろのり)


救急災害薬学分野(当研究室)の理念

  • 「救急災害薬学」の学問領域を確立・発展させ、関連する薬学教育や臨床研究を介して我が国の医療に貢献します。
  • 優れた臨床適応能力と卓越した研究視野を有し、薬業界を先導する薬剤師の育成を担います。
  • 救急医療や災害医療への対応力を充実させ、医療多職種ならびに岡山大学病院、岡山大学当局との連携を図ります。
  • 地域医療への寄与、ならびに薬剤師会や病院薬剤師会との交流に努めます。

国立大学法人岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 救急災害薬学分野

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