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国立大学法人岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 救急災害薬学分野

活動Activity

救急災害薬学分野メンバーの活動を紹介します。

西日本豪雨災害(2018年)における活動状況(名倉弘哲:教授)

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熊本地震(2016年)における活動状況(名倉弘哲:教授)

4月14日に起きた熊本地震では、私は3度、被災地での医療支援活動を行いました。
1度目は、DMAT※1に自ら参加し、2度目はAMDA※2からの要請でチームに参加し、4月28日から1週間ほど益城町の避難所で活動しました。
3度目は、日本薬剤師会の要請を受け、5月10日に薬剤師チームの員として現地入りしました。

薬剤師は、東日本大震災でのような診療支援だけでなく、環境衛生や感染予防にも注力し、避難所の二酸化炭素濃度測定や、トイレの衛生管理も行いました。
水の供給がままならない中、消毒薬をその場で作って配ったり、咳をしている人は個室に居てもらうようにしたりと徹底して気を配りましたので、インフルエンザやノロウィルスの爆発的な感染拡大を防ぐことができたと思います。
熊本地震は局地的で、東日本大震災と比較するのは難しいですが、東日本大震災の教訓が活かされていることは実感しました。

また、対応活動が一段落したころを見計らい、熊本地震において使用した医薬品を全てリストアップし、集計しました※3
どの程度の規模の地震にどのような医薬品がどのくらい必要か、また費用はどのくらいになるのか、今後の災害時への備えに役立てられればと思っています。

※1 DMAT=Disaster Medical Assistance Team:発災後48時間以内に活動を開始し、72時間で撤収を検討する超急性期の災害医療支援を行うチーム
※2 AMDA=The Association of Medical Doctors of Asia:岡山市に本部をおく医療・保健衛生分野を中心とする緊急人道支援活動を展開するNPO法人
※3【参考資料:出典】熊本デジタルアーカイブ「熊本地震 災害支援薬剤師活動の記録〜45日間の軌跡〜 」p76-80(公社:熊本県薬剤師会[制作])

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東日本大震災(2011年)における活動状況(名倉弘哲:教授)

岡山大学は、岩手県の要請を受けて、3月16日に医師、看護師、運転手のチームが第1班として大学病院の救急車で被災地に入り、その後12班が順次派遣されました。
第2班からはチームの中に薬剤師が加わり、私は第4〜5班として、3月24日に現地入りしました。
滞在は1クール丸4日間の予定でしたが、県現地医療機関の要請もあって8日間に延長しました。

私は、最初に陸前高田市に入り、被災した県立病院の代わりに診療所として機能したコミュニティセンターで、診療チームの一員として活動しました。
1日120名くらいの患者さんを診療する中で、処方箋の代わりになる指示箋に基づき、これまで患者さんが飲んでいた薬を聴取し特定しながら、薬を渡していました。
時には自身で薬を決めることもありました※1
それから、大船渡市に活動拠点を移し、救急搬送患者への対応や支援物資として届けられた大量の薬を仕分けて、岡山大学病院の救急車を運転して、各診療所や老健施設などを巡り、必要な薬を必要とするところに届ける活動をしました。

現地の薬剤師の多くは被災者でもあり、疲弊状態である一方で、薬剤師だからできることが山積していました。 私は、薬剤師のマンパワーが全く足りていないことに愕然とし、緊急時に対応できる薬剤師がもっと必要であることを痛感したのです。

※1 大規模災害時に「災害救助法」が適用されると特例措置がとられ、医師の処方が困難な場合、一定の期間に限って薬剤師の判断にて医薬品の授与が認められる。

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